手塚治虫と日本漫画史・・・鳥獣戯画は日本漫画の起源なのか?

2011年2月15日 の新聞報道によると、鳥や獣などを人に見立て遊ぶ様子などをいきいきとした線で描いた国宝絵巻「鳥獣人物戯画」(高山寺蔵)について、京都国立博物館は、絵巻4巻のうち1巻が、絵を両面に描いた紙を2枚にはいだ上で改めて仕立て直していたことが分かったと発表した。
保存修理に伴う調査で画面の墨の跡を照合した結果判明したもので、同絵巻成立の謎に迫る発見として注目されそうだ。
紙の両面に絵が描かれていたと分かったのは、鳥獣戯画の甲、乙、丙、丁の4巻のうち、人間、動物の遊びをそれぞれ描いた丙巻(全長約11メートル)
これまで紙に残る墨の汚れは後世の付着と考えられてきたが、汚れの形が、同じ丙巻中にある図像と一致するのを発見。
さらに精査した結果、絵を描いた際に紙の裏まで墨が浸透した汚れと分かった。

丙巻は現在、幅57センチ前後の紙20枚を継いだ形。
各紙の図像と墨の汚れを照合したところ、人間の遊びを描いた第1~10紙と、動物の遊びを描いた第11~20紙のそれぞれ1枚ずつ形が符合。これで、もともと表に人物画、裏に動物画を描いた10枚の紙を2枚にはぎ、横に継いだと判明した。

丙巻は従来、人物と動物という異質の画題が合体しているため、異なる絵師の別々の巻物を一体化したなどの説があった。

また調査では丁巻も紙を2枚にはぎ、絵が描かれていなかった裏面を、甲、乙巻などの補修に使ったことが判明している。
調査に当たった同博物館の若杉準治・列品管理室長は「江戸時代に紙の表裏をはいで、鑑賞しやすくしたのではないか。
そうした絵の発見は初めて。
鳥獣戯画は制作段階では絵巻とは意識されず、絵師の余技として描かれたのではないだろうか」と話している。

■鳥獣人物戯画 平安後期から鎌倉後期に制作され、京都・高山寺に伝わる絵巻。
鳥獣の遊戯を描いた甲巻、鳥獣の生態を写生した乙巻、人物と鳥獣の遊戯を描いた丙巻、人物の遊戯を描いた丁巻からなる。
作者の1人に鳥羽僧正覚猷(かくゆう)(1053~1140年)の名が伝わる。
一般の絵巻と違い、ストーリーを伝える詞書(ことばがき)はなく、自由闊達(かったつ)な墨線でウサギ、サルなどを擬人化して描き、人の姿を風刺している。

『鳥獣戯画』は、日本まんがの起源なのか?

教科書などでも皆さんご存知でしょうけど、あの、猿やウサギ、カエルなんかが擬人化されて、相撲をとったり、賭弓をしたり、水遊びしたり、酒肴を運んだりしているところが描かれていて、見ているだけで楽しくなりますね。
諸説あるもののNHKの日曜美術館の放送によると、『鳥獣戯画』は漫画やアニメの元祖であると手塚治虫氏が言っていました。
つまり、マンガの三要素である「省略と誇張と変形」があるからだそうです。
省略と誇張と変形による、線の躍動感で、カエルがウサギを投げ飛ばして、見得を切ってるところなんか凄いですね。
そばでカエルの仲間が大笑いしているところなんか、つられて笑っちゃいます。

「手塚治虫は、日本文化(紙芝居などの子供向け読み物、田河水泡・大城のぼるなど子供マンガの先行者、ディズニー・アニメ、映画、SF、宝塚歌劇、新劇、歌舞伎、赤本)の水脈に深く根ざしながら、それらの技術と手法を組み合わせ、応用・援用する形でマンガに取り込むコーディネーターの役割を果たした」と考えられます。

動物を擬人化するという手法は、玩具の世界でも古くから見られます。

写真は「お掃除をする熊のお母さん」です。
1950年代の製造で高さは約23センチ。
日本では掃除機もまだ各家庭に普及していなかった昭和30年代に、造られアメリカの家電製品の圧倒的な豊かさに憧れ驚いたものです。
プロレス中継の合間にスポンサーである三菱の「風神」でリングを掃除するところを映し、普及に努めていたのが思い出されます。
マニアの間でシール物と呼ばれ、クマの毛並みを見事に表現しています。
首を左右に振りながらミステリーアクションで忙しくお掃除する仕草が可愛い逸品です。
洋服、エプロン、毛並みなどに退色、虫食い、破れなどもなく保存状態としては良好です。

過去のブログ記事も加筆、訂正、写真追加している場合がありますので宜しければ時々、覗いてみて下さい。

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