水木しげるデビュー作『ロケットマン』と処女作『赤電話』を見比べる

水木しげる先生(本名・武良茂)の処女作となる『赤電話(宮健司)』と、正式なデビュー作と言われている『ロケットマン・復刻版』とを見比べてみました。

カバーも、しっかり残っていました。

超貴重! 幻のプレ・デビュー作「赤電話」(共著・宮健児)と、記念すべきデビュー作「ロケットマン」
これぞ水木漫画の原点の原点! この本を読まずして水木作品は語れない!

水木先生の、貸本漫画の1957年(昭和32年)年11月30日に兎月書房から発行された「おもしろ長編漫画37 赤電話」(宮健司と武良茂(むら・しげる)共作)です。
A5上製。96ページ。

別の作家(宮健司)が途中まで描きかけ未完になっていた「赤電話」という漫画に手を入れて完成させたという事実が確認されている珍本です。

奥付けページの右上に「mura.sigeru.昭和32.10」本名の武良茂(むら・しげる)名義での表記あり。
『ロケットマン』の実質2ヶ月前の執筆となります。

水木しげるデビュー作『ロケットマン』の前に書き残した「赤電話」があった!

https://blogs.yahoo.co.jp/coast1386/14768954.html

正式デビュー作と言われている『ロケットマン』は、1957(昭和32年)年12月4日に完成させ、翌1958年(昭和33年36歳)2月に兎月書房から刊行されました。
当時のオリジナル本は、とても貴重で、なかなか目にする事は叶いませんが、
オリジナルに忠実な復刻本で読むことも出来ます。
今回は、処女作『赤電話・当時のオリジナル本』と、正式なデビュー作『ロケットマン・復刻版』とを見比べてみました。

ロケットマン・・・表紙でも判るとうり、まるっきりスーパーマン以外のなにものでもありません。
タイトルになっているロケットマン、これがいつまでたっても出てこない・・・と思ったら、ラスト近くになってやっと登場。
日本のテレビでスーパーマンTV実写版が放映されたのは1956年11月~。
少年画報社がアメリカと契約して「スーパーマン」という雑誌を創刊したのが1959年です。
完全にパチモンのスーパーマンですが、ロケットマンと名のって著作権関係をクリアしようとしてるのが当時の日本貸本業界だったのですね。
まるで今の中国を見るようです。

巨大ロボット対巨大怪獣の戦いなど、鬼太郎に登場する「大海獣」のプロトタイプの様です。
幾つかのギミックや設定は、そのまま鬼太郎を始めとした後の作品に流用されています。

本の大きさが『赤電話』より微妙に『ロケットマン』の方が小さいのですが、当時からなのか、復刻に際しサイズを変えたのかは不明です。
ご存じの方おられましたら教えて下さい。

https://blogs.yahoo.co.jp/coast1386/14955653.html

どちらの本も価格応談にて販売可。

写真をクリックすると大きく見れます。
過去のブログ記事も加筆、訂正、写真追加している場合がありますので宜しければ時々、覗いてみて下さい。

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