「VANが先生だった」石津氏へのレクイエム・・・HPから転載

近日中に、HPを閉鎖しますので、こちらに転載させて頂きます。

1960年代に著者の間に「アイビールック」の爆発的ブームを起こした「VAN」の生みの親であり、服飾評論家の石津謙介氏は、2005年5月24日午前2時2分、肺炎の為93歳で死去されました。

あなたの周りにこだわりを持った50~60歳代の男性はいませんか?
その男性はきっと青春時代に「VAN」の洗礼を受けて今も体の中にはしっかりと「アイビー」の血が流れているはず!
アイビーを介してT.P.Oを学び、若者の伝道師様な存在だったのが石津謙介氏だった。

「流行に左右されない男の生きざまが伺える組み合わせこそおしゃれの真髄」「形を着せるのではなく男の誇りを着る」
ボタンダウンを愛した私たちの世代には、男の粋の伝道師であり先生のような存在でした。
かくいう私も高校生の頃より「アイビールック」(厳密に言うとトラッド)の洗礼を受け、単なるファッションにとどまらず、生き方そのものを大いに学んだものです。

★アイビー・・・ボタンダウンシャツを基調とする米国東部の伝統的なアイビーリーグである6大学の学生ファッション
みゆき族に代表されるジャケットは3つボタン上ふたつ掛け。

★トラッド・・・アイビーの数年後にブームとなり基本的にアイビーと同義語であるが、米国のルーツである英国の伝統的トラディショナルスタイルをベースとする。
ジャケットは3つボタン段返り中ひとつ掛け。

しかし、その「VAN」も昭和53年4月には倒産してしまいます。
倒産してからわずか2ヵ月後、現:マガジンハウス(当時平凡出版)発刊の
「POPEYE」誌6月10日号で「ありがとうVAN」「VANが先生だった」と題して特集号が出ました。
多くの週刊誌で石津氏の経営者失失格ぶりが書き立てられましたが「POPEYE」は違っていました。
「僕たちはVANの服でアメリカの学生生活を知りVANのキャンペーンでスポーツライフに目覚めたんだ!
今僕たちは言わなければならないーありがとうVAN!と」

左:ポパイ創刊号 右:創刊から一年後の1978年6月10日号
アイビーを知らない若い「ポパイ」世代読者に大反響
売り切れ続出で、皮肉にもこれがきっかけで当初赤字続きだった「ポパイ」は発行部数がグングン伸びて50万部突破!
のちのプレッピーブームへの足がかりとなった記録に残る号です。

倒産しても若者から有難うと感謝されるVANとは、どんな会社だったのか?!
そして今でも熱烈な「信者」を持つ、VANの創業者石津氏とはどんな人物だったのか?!

最晩年は色紙を頼まれると「卒艶」と書かれたという。
2年後に出版した「男たちへの遺言-永遠のダンディズム論」には「90歳になっても艶っぽい、人間いくつになってもロマンティックを忘れなさんな」という意味を込めていたと記されている。
同署の結びには「お洒落な人より洒落た人になれ」
そんな石津氏は生前、献体登録をし、遺言状には「葬儀不要、戒名無用」としたためていた。
献眼登録をした母親の角膜が生かされたこと、白血病で逝った息子の輸血の多く人の力を借りたという感謝の念が背景にあったという。
同時に一時代を築いたVANジャケットの倒産という経験から芽生えたアンチ拝金主義への思いも見逃せない。
「金儲けの為なら何をやっても許される風潮がはびこっている」嘆かわしいと・・・
常々「ファッションとはライフスタイルをも含めたトータルなもの」と語っていた氏。
人にもそれぞれの死生観がある。
氏は死後までもこうした信念を、誇りを持って貫かれました。
永遠のダンディズムとして・・・。

私の人生のバイブルでもあった「MEN‘S CLUB」通巻34号
1963年12月号、当時の売価200円
名物企画の「街のアイビーリーガース」の第二回
この号より本のタイトルがMEN‘S CLUB」になり、紙面サイズが国際サイズとなります。
この前の号は「男の服飾事典」でサブタイトルが「MEN‘S CLUB」となっていました。
~1979年12月号を最後に卒業しました。
妹版誌「MCシスター」もありました。

私のワードローブの奥深くに「VANの真っ赤のブレザーがあります。
30年も前に、還暦になったら「赤いちゃんちゃんこ」のかわりに着てやろうと買い求めていた物ですが・・・いかんせん体型が様変わりしてしまってちょっと不可能になりました(笑)
その精神だけはしっかり受け継いで行きたいものです。
ありがとうVAN・・・

https://blogs.yahoo.co.jp/coast1386/15413967.html

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過去のブログ記事も加筆、訂正、写真追加している場合がありますので宜しければ時々、覗いてみて下さい。

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