「W3事件」知っていますか?・・・サンデーコミックス『ワンダースリーW3』全5巻

「週刊少年サンデー」に昭和40年5/30号~41年5/8号まで連載された全話を5巻に収録したサンデーコミックス『ワンダースリー』です。

第1巻『宇宙からの三匹』付録・時間わり表・・・表紙・裏表紙に縦の折れ跡数本あり・中の下45点
第2巻『ユダ島爆破の巻』付録・すごろく(何故か表紙にはW3シールの記載)・・・背表紙に縦線書き込みある以外は良好・上の上96点
第3巻『うばわれた爆弾』付録・W3うらない・・・裏表紙に縦折れ跡あり裏表紙に薄く名前(あや)記載あリ・中の中55点
第4巻『F4号作戦』付録・W3点とりゲーム・・・読み込んだ折れ全くなく美本・上の上98点
第5巻『地球の中心への冒険』付録・絵あわせゲーム・・・特に問題の無い時代なりの中古・中の上60点
綴じ込み付録は全て切り離しなし。
5冊セット価格応談。

話は、地球から遠く離れた銀河連盟本部で、戦争ばかりしている地球を破壊するかどうか議論されているところから始まります。
結局、地球に調査隊を送って、しばらく様子を見ようということになり、ボッコ、プッコ、ノッコの3人が調査員として派遣されることになります。
1年間調査して、戦争ばかりしていてどうしようもない星なら地球を消滅させる・・・という設定です。
ボッコ、プッコ、ノッコはそれぞれ、ウサギ、カモ、ウマに姿を変え様子を調べる為に地球に潜り込みます。

戦いに明け暮れる野蛮な地球を滅ぼすか救うかを決めるために、銀河連盟から派遣された調査員W3のボッコ・ブッコ・ノッコが地球の動物に変身して活躍するという設定は、そのまま現在の地球の状況にも当てはまります。
星真一少年や諜報機関フェニックスとA国の争いに反陽子爆弾が加わって・・・彼ら3人が命令に背き無断で地球を救った為に有罪刑になり、罰として地球人に変身させられ記憶を消されて追放されるラスト・・・真一のガールフレンドになるカノコ、科学者の五目、学校の馬場先生が、実は、ボッコ、プッコ、ノッコであったという『タイム=パラドックス』凄いどんでん返しもあります。
ですから、ボッコ、プッコ、ノッコの3人が姿を変えて最初から登場している訳で、実に綿密に計算された完成度の高い作品です。
さすがは、SFの大家です。
「W3」には、ビッグ・ローリー(大きなタイヤの乗り物、時速5千キロで走る)やオンボロ物質電送機、反陽子爆弾、テレパシーなど、子供が喜びそうなものが沢山出てきます。
ノッコがガラクタでビッグ・ローリーを作ったりビルを建てたりして、とても夢のあるお話です。
地球環境の汚染問題を含む今日的なテーマとラストのタイム=パラドックスの手法など、手塚治虫らしい優れた作品と言えるでしょう。
まさに少年漫画の王道の様な素晴らしい作品です。

実は「W3」は、最初、「少年マガジン」に1965年13号~18号まで6回連載されましたが、突如中止となり、なんとライバル誌である「少年サンデー」に舞台を移して突然、連載が始まりました。
これはマニアの間で俗に「W3事件」と呼ばれていますが、当時は子供の頃の事でしたので、このような大人のドロドロした世界の事は知るよしもありませんでした。
この事件には、同じ「少年マガジン」に連載されていた「宇宙少年ソラン」が絡んでいました。
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「少年マガジン」から「少年サンデー」へ『W3』(ワンダースリー)事件★手塚治虫

http://blogs.yahoo.co.jp/poppy1386/56157037.html

手塚氏とマガジン編集部との軋轢は「三つ目がとおる」の連載まで長きにわたり絶縁状態となり、結果的に少年マガジンは手塚的な古典的少年マンガの絵・語り口から離れ「劇画」路線へと傾斜します・・・水木しげる、さいとう・たかを、そして梶原一騎「巨人の星」も「あしたのジョー」もW3事件がキッカケとなり作られたものと言えるかもしれません。
少年サンデーに於ける手塚作品は、W3→バンパイヤ→どろろと続き、私の人生の中で最も熱心に読んでいた時代と重なります。

過去のブログ記事も加筆、訂正、写真追加している場合がありますので宜しければ時々、覗いてみて下さい。

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W3 ワンダースリー Complete DVD-BOX

テレビアニメ用に手塚氏が企画したSFスパイ物の異色作「W3 ワンダースリー」

『W3 ワンダースリー』は、漫画家・手塚治虫氏の主宰する虫プロダクションが、『鉄腕アトム』に続いて製作した2番目のテレビアニメシリーズ。
1965年6月6日~1966年1月30日にフジテレビ系で全52話放送されました。
アニメのスタッフ全員でキャラからストーリーまで一から作り上げていきました。
もちろんマンガとしても連載されましたが、あくまでもアニメ作品として最初は企画されたものです。
三人の宇宙人、ボッコ、プッコ、ノッコはウサギとウマとカモに姿を変えて、星真一少年と、その兄で地球を守る秘密機関フェニックスのメンバーでもある星光一の行動を見守ります。
彼らは地球を破滅させるべきか存続させるべきかの調査にきていたのです。
キャラクターひとりにつき専属の作画担当がつく、というディズニー方式を採用した、最初の日本製テレビ・アニメでもあります。

映像特典
手塚治虫のオープニング絵コンテ(静止画)
児童合唱団版オープニング
1966年お正月イントロフィルム
提供ナレーション入りオープニング
設定資料集(静止画)
ノンテロップオープニング
パイロットフィルム

『ワンダースリー Complete DVD-BOX』は下記の関連サイトより購入できます。
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http://blogs.yahoo.co.jp/poppy1386/62448978.html

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