梅田晴夫『アンチック古物蒐集入門―差をつけるための美学』を今頃になって読破

★博物資料(著者の言によれば我楽多)収集家として有名な梅田晴夫氏による西洋アンティーク入門書『アンチック古物蒐集入門―差をつけるための美学』

この本を入手したのは1983年頃だったでしょうか?
骨董とは違うアンティーク(我楽多)の面白さに目覚め、数々の文献資料を漁っていた頃に『アンティーク』のタイトルを見つけると敏感に反応し中身も見ずにタイトルだけで地元の本屋さんより取り寄せ購入したものの、実際に手に取って見ると思っていた内容ではなかった為、読みもせずに長年、本棚の肥やしになっていました。

この本が発行された頃は、まだ『ブリキのオモチャ』は骨董を蒐集する好事家達のコレクション対象になっていなかった為に、ティントイなどの記述は一切ありませんが、時代背景などには大変、興味深いものがあります。

ごく限られた一部の好事家が『ブリキのオモチャ』に、いち早く注目して密かに集め出したのが1976年頃で、やがて出版社やマスコミで盛んに取り上げられる様になった『ブリキのオモチャ』は金になるということで、骨董品店が扱いだしたのが1980年代も半ばに差し掛かった頃でしょうか。

1973年出版の初版本で現在は絶版となっています。170ページ。復刻要望の多い本です。
この本が発行された頃は、団塊の世代が若い時代のニュー・アンティーク・ブームの担い手として登場し今までの骨董の概念が変化しだした頃です。
骨董・アンティーク・我楽多に対する意識的な概念が、この頃に大きく変わった様に感じます。

今回、この本を手放すにあたり、入手後初めて読んでみましたが、著者のウェットに富んだ文体の面白さに一気に読破してしまいました。
骨董とは違うアンティークの魅力について詳述されています。
アンティークをめぐる状況もこの本が発行された38年前とは随分変わってきていますが、今でも著者が説く思想は多くの示唆を与えてくれます。

【目次】
1
雑物学のすすめ―差をつけるための美学、
「アンティック」とはなにか、
「アンティック」の流行、
「アンティック」蒐集の対象、
蒐集家の心得
「アンティック」の撰定―年代について、
2
コカコーラ関係品の蒐集、
喫煙具の蒐集、
蓄音機とSPレコードの蒐集、
カメラの蒐集カタログ・プログラムの蒐集、
柱時計と懐中時計、
トランク・鞄、鍵と錠、
3
趣味の歴史、
落語の“道具箱”、
蒐集家のための掌事典、

梅田晴夫は『ミスター万年筆』と称された作家で1920年に東京に生まれ、1980年死去。
ポータルサイト「はてな」取締役で『ウェブ進化論』の著者でもある梅田望夫氏は息子さんである。

暫定・梅田晴夫と私

http://www.geocities.jp/ishikawasei1/MIKApapa.html

過去のブログ記事も加筆、訂正、写真追加している場合がありますので宜しければ時々、覗いてみて下さい。

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コレクションの愉しみ (1983年)梅田 晴夫 (著)

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