宮崎駿も影響を受けた驚愕の絵物語・・・福島鉄次の『砂漠の魔王』

『砂漠の魔王』(さばくのまおう)とは福島鉄次作の長編絵物語である。
1949年から1956年までの間、月刊「少年少女冒険王」(のちの冒険王)に連載された。

秋田書店の初代社長、秋田貞夫の提案を受け、「少年少女冒険王」の創刊号冒頭をオールカラーで飾った『ポップ少年の冒険・ダイヤ魔神』が初出であったが、副主人公である巨人に人気が集中し、二回目よりこの題名となり、魔王の活躍が始まる。

物語は『アラジンと魔法のランプ』に想を得ている。
香木を焚くと香炉から巨大な魔王が出現し、飛行石の力を以って空を飛び、無敵の力を発揮する。
彼自身は呼び出した者の命を受けるので、時には主人公であるポップ少年と敵対することもある。

舞台はアラビアともアフリカともつかぬ異郷の地、魔王はターバンを巻き赤いマントを身にまといブーツを履いたアラブ風のコスチューム。
四色カラー16ページという豪華な体裁に盛り込まれた異国情緒あふれる背景世界は、その荒唐無稽な冒険活劇の筋立てと共に、終戦直後の少年たちの心を捉えた。
後にアニメ映画監督となる宮崎駿もその1人で、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』に本作の影響を見出すことができる。

特筆すべきは、グラフィック面である。
アメリカンコミックスに影響を受けた、鮮やかでキッチュな彩色、大胆な構図と緻密で立体的な描写、ユニークな兵器のデザイン。
これらは世紀を隔てた今も魅力を放っている。
戦後の進駐軍が流布したアメリカ漫画(アメコミ)に影響されたという。

山川惣治・小松崎茂の諸作品と共に、「絵物語」という新ジャンルの端緒を開いた。

今から50年以上も前にこんな作品があったことに驚かされる。
この極彩色の眩しさ!アメコミと見紛うばかり。
それでも作者はれっきとした日本人なのである。
原色の乱舞をみているだけでもワクワクしてくる、奇跡のような作品。
まだ劇画という言葉も生まれていなかった時代に、こんな凄いデッサン力を持った人がいたのだ!!

おそらく、「砂漠の魔王」なんて知らない方がほとんどでしょう?

「砂漠の魔王」は、とても魅力的な作品なのですが、容易に読むことができない幻の作品になっています。

当時は絶大な人気があった訳ではありません。
今でこそ、絵物語の代表格のように評価されていますが、発表当時は、低俗な作品とみられていました。
この事がより作品の入手を難しくしています。

昭和20年代に連載された、読物・漫画・絵物語の中で最も長く雑誌に連載されていた作品なのですが、現存数も少なく、雑誌にしろ単行本にしろ幻の作品と言われる所以です。

過去に4回程、復刊された事があるらしいのですが、いずれも完全な形ではなく発行数も極端に少なく、復刻版といえども現在では非常に高価でオリジナルに至っては驚愕のお値段となっています。
私も世代的には、作品自体を知らなかったのですがレトログッズの蒐集・研究を続ける過程で30年程前に「こんなに凄い作品があったのか!」と知り驚きました。

「砂漠の魔王」に関する資料、グッズの類は非常に珍しいのですが、30年程前に新潟市で『砂漠の魔王』のお面を1枚だけ発掘したのですが、どうしても売ってほしいと懇願されて13年程前に手放してしまいました。

いつかまた手に入れたいと思い続ける事13年・・・やっと先日、入手する事が出来ました。
思い続ければ『夢』は叶う・・・ちょっと早いX’masプレゼント になりました。

過去のブログ記事も加筆、訂正、写真追加している場合がありますので宜しければ時々、覗いてみて下さい。

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